2006.12.29 関東地方南部
結果:単独、コルリ3♂+1♀、ルリ1♂+2♀、ホソツヤ4♂+1♀をゲット!

 12/29。
 今日から一週間の年末・年始休暇…。
 一昨年、昨年と、12/29は出動しています。
 一昨年(2004年)は大雪の中、甲胄屋さんと出動、昨年(2005年)は大寒波襲来で全てが凍りついた高所へピイさんと出動…。
 いずれも思い出に残る採集…。
 今年は単独、関東地方南部の高所に向かうことにしました。
 一年の締めくくりの採集、上手く行けば良いのですが…。


 この時期の恒例、自宅発は5:00。

 今回も自宅そばのスタンドでガソリンを入れてから出発しました。


 一昨日は東京で最高気温20℃オーバーを記録したのに、今日から寒波襲来で風が強く、寒いようです。
 高速道では確かに横風が強かった…。


(第1ポイント)
 今回はまずは、地図と睨めっこして決めた林道で、コルリにチャレンジしてみました。
 最高標高は1000mを超え、植生さえ良ければと期待です!

 正直、ルリ属の記録は知らないし、現地の雰囲気も全く想像出来ない状況での「冒険」です。

 時計は7:00を回り、林道に突入。

 まずは絶壁+杉…。

 走りやすい林道を進み標高を上げても、杉だらけ…。

 結局、杉一色の中、最高標高地点の峠に着いてしまいました。

 峠からは左右に登山道があるので、より高標高の山頂へと続く左の登山道に歩いて入ってみることに。
 でも杉だらけ…。
 登山道沿いにちょっとだけ広葉樹があるものの、乾燥しきっていて、とてもルリ属は生息出来そうもありません。


 15分ほど登山したものの、目前に迫った山頂まで植林が続いているのが見え、今回はギブアップ…。
 峠の反対側の山も杉の植林だらけでした…。

 残念だけれども仕方ない。

 一度も手斧の出番が無いまま、移動を決意。
 新規ポイント開拓は大変です。


(第2ポイント)
 8:30過ぎには駐車出来る空き地に到着。

 ここでは、ルリ、コルリ、ホソツヤルリの3種が採れるので、2006年の締めくくりの採集として、何とか3目を制覇したいという思いで臨みました。

 
まずは杉の植林地帯が続きます。

 雪は全くないものの、埋没材の凍結は進んでいました。

 とりあえず、コルリも意識しながら、ここで最も濃いルリを狙いました。
 直ぐに立ち枯れから1♂+2♀のルリ成虫が出ました!


 

 ルリだけ狙うならもっと採れそうですが、今日はあくまでも3目をゲットしたいという思いなので、次はコルリ狙い集中モードに切り替えました。
 時々遭遇する、ルリ(・)マークの付いた立枯れは無視。

 材の凍結はかなり進んでいて、動かない材が増加、そして地面から引きずり出せても、食痕の確認が中々出来ません。
 しかも無理して削ると破片が目に飛んでくる…。
 やはり、コルリには厳しい季節になってしまった。
 
 それでも、何気なく削った材から成虫が出てくれました!
 紫の強い♀です。


 やはりコルリへの思い入れが強いので、まずはコルリが採れて安心。

 次は♂を目指しますが、中々上手く行きません。
 しかも、沢沿いの日陰では足が寒くて痛くなってきた。


 斜面を這い登り、陽の当たる南斜面の枯れ沢に入ってみました。

 ツララの先に水滴はなし。
 気温は氷点下のようです。

 材は中々見つからなかったものの、ついに発見!

 直径8cm、長さ60cm位の材から、3頭のコルリ♂が出てきました!



 ここのコルリ♂は黄色味の強い個体も混ざります。
 コルリも3♂+1♀となって一安心。


 さて、次はホソツヤですが…。
 私にとって最も苦手なホソツヤ…。
 この地でどのようにすれば採れるのか?

 取り敢えず、マニュアル通り、標高を上げて尾根を目指してみることにしました。

 コルリマークもルリマークも皆無な状況。
 ちょっと移動しただけで雰囲気が変わってしまいます。

 マークは見つかりませんが面白いものを発見!
 ブナとミズナラが一体化していました!

 恐らく同じ年に成長を始めたのでしょう!

 とても人間が近づけない時間を感じます。


 木々の間から見る遠望も素晴らしい!

 そして、何と、江ノ島三浦半島と更にその奥に房総半島まで見えてしまいました!!!

 中央の薄い黒い小さな横線が江ノ島、その上の長い横線が三浦半島、その奥の山並み(画像ではほとんど判別不能ですが…)が房総半島のようです。
 感動と言うより、ちょっと怖い感じがしました。
 超高倍率の望遠鏡であちらからこの山を見たら、自分の姿が見えてしまうのでしょうか?

 ほとんどルリ属マークが認められない状況が続きましたが、信じられない光景を見て、満足感を味わえました。

 空は本当に青いし!!



 正直、ホソツヤは諦めてかけていた頃、ついにその奇跡の瞬間は訪れました!

 (・)マークが数個付いた直径8cm位の立ち枯れを倒して削ったら♂成虫が出ました!
 取り出してから、手の上で確かめると…、間違えなくホソツヤルリ!!!

 しかもこの材からは、合計4♂+1♀のホソツヤ成虫が出てくれました!
 幼虫はゼロなのに…。
 本当に運が良いです!







 ホソツヤって何でこんなに生息環境の厳しそうな材で育つのでしょう?
 樹皮の無い部分はパサパサ、樹皮の下だけかろうじて湿度が保たれているような状況。


この画像は立ち枯れを倒した後のものです。

 時間が経つのは早く、気付けば12:00過ぎ…。
 満足気分で下山を開始。
 
 やはり、どこからでも意識してしまう富士山が見えたり…、

 自分の影を撮影してみたり…、

 余裕気分で、急な登山道を下山することが出来ました!

 自宅には15:00前に到着!

 今年一年を締めくくるには十分すぎる結果を出せた一日になりました!
 2007年はどんな一年になるのでしょう? 



上:ルリ1♂+2♀
中:コルリ3♂+1♀
下:ホソツヤルリ4♂+1♀






ルリ


コルリ


ホソツヤルリ


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