採集記
 (2006年6月3日)


 同 行:きっちゃさん
 目 的:長野県で原名コルリ狙いの新芽採集。
 結 果:第1ポイント(早朝)…コルリ3♂+2♀
      第2ポイント    …コルリ29♂+8♀
      第3ポイント    …コルリ32♂+11♀、ホソツヤルリ1♀
      第1ポイント(夕方)…コルリ3♂+1♀
      をゲット!

 例年なら原名コルリクワガタの新芽採集シーズンのピークを迎えるはずの6月第一週。
 今年はやはり各地とも積雪が多く、発生ピークは遅れ気味との話が聞こえてきましたが、果たしてどの程度のものなのか…。
 豪雪地帯のポイントに向かって実際にその状況を確認してくることが出来ました。

 今回は、4/29以来3回目となるきっちゃさんとの現地合流採集です!
 コルリの新芽採集…、数年来の約束をようやく叶える日が来ました。

 関東地方は曇がちで肌寒い天気とのことでしたが、新潟〜長野は概ね晴れの天気予報!
 当初は4:00頃出発しようかと思っていましたが、興奮気味(?)で2:00前には起床してしまいました。

 結局、いつものようにガソリンを満タンにして、2:40に出発!


 夏至が近付いているとは言え、3:00前では暗闇が広がっています。


 4:20には新潟県入り。
 既に明るいです。
 そのまま、長野・新潟県境を目指します。
 日本海寄りの地方の天気は良さそう。


第1ポイント 
 
実はきっちゃさんとは、ポイント近くの道の駅に10:00頃集合という約束をしていました。
 このままでは5:30には到着してしまいます。

 ということで今日の目的地とは別のポイントに、待ち合わせ時間までの間、単独、雪の様子を見がてら、上手くすれば昨日の新芽潜り込み個体が採れるかもという淡い期待も抱いて、早朝から入ることにしました。

 現地着は5:15。
 下界は雲がかかっていましたが、高所は何と雲海の上!
 いきなり素晴らしい景色を味わうことが出来ました。

 その頃、きっちゃさんからメール連絡があり、7:00頃には道の駅に到着予定とのこと!
 きっちゃさんも3時間も前の到着です(笑)。
 ということで6:00までの45分位の間、 チャレンジすることになりました。

 とりあえず、可能な限り高標高の場所まで車で入ることにしました。
 ところが…。
 想定よりかなり低標高の場所に雪がある…。
 無理すれば入れなくはないのですが進むのを断念し、戻って近くの広場に車を停め、歩いて林道を進んでみることにしました。(これは正解でした)


 既にこの標高で、周辺にはブナの新芽が複数見られ、ミズナラ、トネリコと共に意識しながら見て行きます。
 あっさり、
発見!
 面白いことに、 一つのブナの新芽に♂と♀が別々の場所に潜っていました。
 「越後型コルリ」の産地なので♂が青いです!

 これなら、容易に追加出来そうと周辺を見てみるものの、そんなに甘くありません。
 結局、少し登ったブナの低木で2♂+1♀を追加出来たものの、それでおしまいでした。

 それでも早朝の採集は爽快でした。
 ちょっと進んだら、倒木、そして雪の壁…。
 車で進入しなくて良かったです。
 やはり記録的な豪雪だったのを実感…。



第2ポイント 
 きっちゃさんは7:00前に道の駅に到着。
 何と1:30に岐阜県のご自宅を出発されたとのことです。

 今回は私の車で目的地を回ることにしました。

 まずは、単独で行った第1ポイントとは別の「越後型コルリ」のポイントを目指します。
 今日の本命ポイント。
 きっちゃさんにとって「越後型」採集は初めてとのこと。

 第1ポイントの雪の状況から、もしかしたら道の閉鎖もあるかもと、不安を抱いていたら案の定…。


 目的地より遥か下の場所で鎖が掛けられ、進入できない車はその手前に縦列駐車する形になっています。
 カーナビで示す目的地までは4km位。車ならほんの数分で到着できますが、歩いたら軽く1時間はかかるでしょう…。

 きっちゃさんと相談し、時間も早いし、とりあえず歩いてみましょう、ということになりました。

 リュックに食料・水を入れ、ネットをもってスタート。

 駄目だろうと思いながら、周辺のミズナラの新芽を覘いて行くものの、やはりコルリの姿はなし…。
 
 標高が上がるにつれ、あたりは雪一色。
 爽快な風景ですが、コルリ採集には厳しそうな状況…。

 延々と歩きます。
 歩いて来た道が眼下に…。

 やがて、雪の壁…。

 状況は益々厳しそう…。
 それでも、雪が少ない斜面も僅かにあり、良い感じのブナ新芽を見上げてみると…。
 付いてる!!

 歩いてきた甲斐があります。
 直ぐに潜り込み♀もゲット!


 きっちゃさんは、初めての越後型♂、そして何と1頭目から黒♀をゲットされました!
 素晴らしい!
 この春は、コルリの新芽採集で苦しい状況が続いていらっしゃったとのこと。
 最初のポイントから結果が出て、本当に良かったです。

 ここの狙えるようなブナ幼木は僅かなので、もう少し標高を上げてみることにしました。

 雪の量はどんどん増えて行きます。




6/11、きっちゃさんより思い出の画像を戴きました。

 そして、この道の最高標高地点では…。
 マジですか??

 軽く3m位は積もったままです。
 気温はかなり上がってきていますが、雪のそばは冷蔵庫の冷気が流れてくるような爽快感があります。
 ここは、もう前に進むことは不可能な状態。
 少し戻ってから雪の少ない斜面を探し、そこから目的の登山道に入ってみました。

 不思議なことに、斜面が変わると突然風景が変わります。
 季節の入り乱れ、これが豪雪地帯のこの時期の特徴です。

 やや高木ですが、良い感じのブナ新芽も多数。
 気温も上がってきたので、コルリが飛ぶでしょうと、ここでしばらく粘ってみることにしました。

 直ぐに飛翔個体を発見!
 新芽に付いて歩き出す瞬間を狙ってネットを出します。
 ゲット!

 やっぱり、青い!
 きっちゃさんも直ぐにゲット!
 
 見上げる採集で、首が痛くなって来ますが、その後もパラパラと飛翔してくる個体を徐々に追加することが出来ました。
 ただ、これだけの高木では、新芽に付く個体を撮影することが出来ません。
 しかも飛翔してくるのは♂が中心。

 きっちゃさんは1ポイントあたり、4ペア位をゲットされればOKとのこと。
 まだ数の足りない♀の追加を目指して、10:30頃移動を決意。

 ブナの新緑、本当に綺麗です。


 最初の斜面に入ると…。
 やはり来ている!

 あっという間に数頭をゲット!

 目的の♀も数頭追加出来ました。
 しかも黒♀も!


銅色♀


ピンボケですが、黒♀

 結局、このポイントでは、自身29♂+8♀をゲットすることが出来ました。
 この内、2♀が「黒」でした。

 楽しく話をしながら来た道を戻りました。
 

 下の画像、左下の池の辺りに車を停めています。
 遠い〜。
 きっちゃさんはヒメオオ採集で林道を歩くのは好きなので、歩くのは余裕とのことでした。


第3ポイント 
 12:00を回ってしまいましたが車に辿り付き、次のポイントに移動。
 今度は、「越後型」ではない原名コルリということになります。
 しかも、ここはホソツヤが混ざることがあるとのことで、密かに期待してしまいます。
 
 やはり条件を整えるとコルリが居ます!
 越後型を見たばかりの目には、ここの♂は「緑」という感じで、全く別物です。
 面白い!







 標高を上げると雪が多い。

 ということで、標高を下げ気味にして、良い状態の新芽を探しました。

 今日のこのポイント最高の当たりブナ幼木を発見!
 太陽がギラギラ照り付けて暑い感じです。

 到着後、見上げると、付いてる付いてる!
 しかも、飛んでる、飛んでる。

 ざっと、5〜6箇所にコルリを確認。

 きっちゃさんと斜面に登り、次々にネットで受けて行きます。
 その後も次々に飛来!

 ねほさんから、このような状況でも落ち着いて採ると教えていただきましたが、興奮してしまい、かなりの個体を落としてしまいました。

 それでも採集個体はある程度ネットにまとめながら、次々に毒瓶に移すことが出来ました。
 そして、その中の1頭を見たら…。
 緑だったので小さなコルリ♂かと思ってよくみたら…。
 ♀…。

 ホソツヤルリクワガタの♀です!

 やった!
 信じられない!
 まさか自分でホソツヤルリを新芽でゲット出来るとは思ってもいませんでした。
 しかも♀…。
 きっちゃさんも喜んで下さいました。


 その後も、少し粘って、ホソツヤの追加を目指しましたが、簡単には行きませんでした。

 ホソツヤをゲットしたブナ幼木のある斜面↓。

 時計も15:00を回り、再び移動を決意。

 きっちゃさんは、個体数より新ラベルを追加されたいとのことで、今朝、私が単独で行ったポイントにもう一度入ってみることにしました。

 結局今日は夕方まで快晴。
 時間が経つのが早すぎる感じです。



再び、第1ポイント 
 
途中で何と\153/Lのハイオクガソリンを入れたりしながら、再び朝入ったポイントに行きました。

 車を広場に停め、再び林道を歩きます。
 時計は16:00を回っています。

 きっちゃさんは、朝1:30に出発されたとは思えないほど元気!
 私も気合で頑張ります!

 早朝、ブナ新芽の潜り込み個体をゲットしているので、今日飛来した個体のゲットは簡単?と思いながら進むものの、上手く行きません。

 日に日に融けてゆく残雪の痕…。

 やがて、ミズナラの新芽を歩くコルリ♂の姿を確認。
 この個体はきっちゃさんにゲットしていただきました。
 とりあえずボウズを免れて良かったです。

 朝より、標高を上げたら雪の量が半端ではない。
 ここは除雪が全くされていません。
 このままでは7月位までこの林道に車で入るのは難しくなってしまうような気がしました。
 どこが道なのか判りません。

 結局、標高を上げてブナ新芽で1♀を追加出来ましたがUターン。

 戻りながら、ミズナラの新芽に付く個体を確認。
 ♀は居なかったのですが、コルリ♂2頭が入りました。
 美味しい樹液が出ていて喧嘩中だったのか??

 やはり「越後型」は青いです。



 車まで目前、追加は難しいかと思っていましたが…。
 きっちゃさんが、アスファルトの路上の上に張り出したミズナラをキック…。
 バラバラっと、一蹴目はハムシだらけ。
 もう1回キック!
 
 下で待っていた私の目の前にコルリ♂が落ちて来ました。

 きっちゃさんの執念、凄い!

 時計は18:00を回り、今日の採集は終了。
 充実した一日は終わってしまいました…。


 待ち合わせた道の駅できっちゃさんとお別れ…。
 次にお会い出来るのは秋になりそうです。  

 コルリの新芽採集を日没直前まで楽しめて大満足。
 きっちゃさん、今回も本当にありがとうございました。

[持ち帰り個体]


左上:第1ポイント産コルリ、右上:第2ポイント産ホソツヤ
左下:第2ポイント産コルリ、右下:第3ポイント産コルリ


[越後型コルリと第3ポイント産コルリの♂の比較]


左:第1ポイント産(紫が少し強い)   
中央:第2ポイント産(標準的越後型)
右:第3ポイント産(標準的個体)     


[コルリ黒♀とホソツヤ♀]


左:第2ポイント産 黒♀          
中央:第2ポイント産 標準♀       
右:第3ポイント産ホソツヤ♀        

[第3ポイント産コルリ♂の色の違い]


左:茶褐色      
中央:やや銅色気味
右:標準的緑     


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