採集記
 (2005年5月21日)


 目 的  :新潟県にて原名コルリクワガタの新芽採集。
 結 果  :原名コルリ11♂♂をゲット!
      

 ついに原名コルリの新芽採集にチャレンジする日がやってきました!
 今年はとにかく豪雪地帯では積雪が多く、コルリの発生は1週間〜10日程度遅れているとのこと…。
 今回は単独採集なので、新規ポイントにチャレンジする度胸も無く、2003年の5月中旬に採集実績のある新潟県のポイントを選びました。
 実はこのポイントは、2003年の5月上旬にも訪れようとしたのですが、林道に入って最初のヘアピンカーブに巨大なアイスバーンがあり、進入することすら出来ないという経験がありました。
 今年は雪が多いとなると、もしかしたら進入出来ないのでは?と不安が過ぎり、もっと遅く出発するつもりだったのに、5:00前
には出てしまいました。


 この季節、早朝の関越道方面は空き空きです。
 快調に車を走らせると、谷川岳が見事な姿を見せてくれました!!
 天気は快晴です!



 
ICを下りて、いよいよ林道に侵入。
 問題の最初のヘアピンカーブは…。


 通れる!!
 ここに来て良かったと思いました。


 まずは、行ける所まで行ってみようと思い、新芽の開き具合を確認しながらゆっくりと林道を登りました。
 標高を上げるに連れて雪の量が増し、ブナの低木の新芽も完全に芽を閉じた状態…。
 やはりこのポイントの発生ピークは来週か、再来週になりそうです。
 
 それにしても、この季節の晴天下のブナ林、なんて素晴らしいのでしょう!!!




 結局、最高標高地点近くまで車で入ることが出来ましたが、その先には雪の壁がありました。


 実は、最高標高地点周辺に密かに狙っていたブナの低木ポイントがあったのですが、芽は固く閉じたまま…。
 標高を下げて、適度な芽吹き状態の新芽があるところを探ることにしました。

 時々、車を降りて新芽にコルリが付いていないか確認するものの、姿はなし。
 まだ8:00を回った位の時間ですが、前日飛来した個体がいるのでは?と思って探しました。

 気付けば、何の成果も得られないままかなり低標高の地点に戻ってしまいました。
 今日は、コルリ成虫の姿を見ることが出来ないのか??

 急遽、予備のポイントと考えていた反対側の林道に入ろうとすると…。


 やはり、豪雪地帯の林道の開通状況は全く読めません。



 ということで、最初に入った林道に再び戻り、何とかポイントを探してみることにしました。
 ここでは、2003年に標高900m以下のポイントでもコルリを新芽で採っているので、それに期待です。

 やがて、標高800m強の残雪が少ない地点の適度なほころびをみせたブナの新芽に黒い小さなコブを発見!!!!(画像には写らないような高い所です)。


 ネットで受けてみると…。
 コルリの♂成虫でした!!!
 このポイントの個体は、青いものの微妙に緑が混ざる感じです。 

 およそ1年ぶりの新芽での再会。
 本当にうれしかったです。

 その後周辺を見ていると、飛んでいる個体を発見!!
 ネットですくうと、やはりコルリ♂でした。



 今日は、ここに居座って、飛んでくる個体を狙ってみることにしました。
 でも、昨年5月に桧枝岐で経験したような、コルリ成虫が次から次へと飛来するようなことはありません。

 やや高木のため上をずっと見ている感じで、首が痛くなって来ます。

 周辺では山菜採りに励まれる方が沢山いて、時々、「何か採れました?」と聞かれ、「こんなものが採れました」と説明して時間が刻まれる頃…。
 東京都のナンバーのセダン車を運転される方から、「採れましたか?」と聞かれました。
 お聞きすると、ギフチョウ狙いでこちらに来られたとのこと(お名前はSさんです)。
 更にお聞きすると、本業(?)はオサムシ屋で、ギフチョウの他、カミキリやコルリ等の甲虫も集められているとのこと。
 話をしている内に、私がトネリコが見つからないと話したら、じゃあ一緒に探しましょうとSさんとご一緒にコルリ採集をすることになりました。
 コルリの新芽を狙う場合トネリコは重要な樹種になるわけですが、その正確な同定が出来ない私に、ねほさんが画像を送って下さり、その印刷物を持参して採集に臨んでいたのでした。
 でも単独では、全くトネリコが見つかりません。

 Sさんは先週もこの地を訪れようとしたそうですが、アイスバーンで進入できず、諦めたとのこと。
 1週間で林道の状態も全然変わるようです。

 Sさんは、直径60cm位あるような大きなしっかりとした網を持っていました。
 どのように使うんだろうと思って見ていると、斜面の上の方にあるブナの新芽にスイーピング。
 あっさりとコルリ♂が入っていました!!

 やはり、自分の低レベルさを痛感しました。
 スイーピングのやり方、自分が想像していたものと全く違っていました。
 今シーズンは間に合わないかもしれませんが、Sさんが使われていたような網を装備する必要性を痛感しました。
 夢のトウカイコルリの新芽採集も希望が大きく膨らんで来ました。

 結局、30分位ご一緒に林道を歩き、Sさんは2頭のコルリ♂や貴重な蛾の仲間などを採集されました。
 また、トネリコは見つかりませんでした。
 
 Sさんは「また、蝶を採りに行きます」と言って、お別れ…。
 お名前を聞いただけなので、いつかフィールドで再開出来るのか?という感じです。

 こちらは、再び最初の新芽ポイントで飛翔してくるコルリを待つことにしました。
 
 しばらくすると、なんと、Sさんはトネリコの枝を持ってきて下さいました。

 当然ながら、ねほさんから頂戴した画像と同じ新芽です。
 本当に勉強になりました。


 その後も、この場所に居続けた結果、飛翔中の原名コルリ♂を合計11頭ゲットすることが出来ました!

 ♂ばかりでしたが、今年の「初新芽コルリ」、自分的には大満足です。
 材採集とは全然違った魅力が新芽採集にはあります(今回は飛翔中の個体を採集したため、厳密な新芽採集とは少し違っていましたが…)。

 首も疲れたので、13:00過ぎには現地を後にしました。




 帰途につきましたが、途中、先日ピイさんと下見をしたポイントにも足を運んでみました。

 ブナがあるのは僅かな範囲、しかも新芽と呼べる状態の木は僅かしかありません。
 雪はほとんど融けています。
 それでも、到着して直ぐにコルリ♂が前方2m位の枝先を歩いているのを発見!
 撮影する余裕もなく、直ぐに網を出しましたが、落としてしまいました…。
 ショックです…。


 その後、30分位その場に居座ったものの、再びコルリの姿を見ることは出来ませんでした。
 まだ、桜が咲いていたりします。






 今年初めて、新芽での原名コルリ採集にチャレンジしましたが、それなりの結果が出て満足出来る一日となりました。
 特に、虫屋のSさんから教えていただいたスイーピングは、勉強になりました。


 (本日の成果)
  新潟県産コルリクワガタ原名亜種:11♂♂
 

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