採集記
 (2005年3月12日)

 
 同行者  :鍬匠 甲冑屋さん
 目 的  :東京西部の高所にて高山種クワガタの採集
 結 果  :ビーフォー:ルリクワガタ属は(・)マークを1材で確認したのみ。オニ幼虫1頭。
        鍬匠 甲冑屋さん:東京産ヒメオオの可能性のある幼虫を複数ゲット!
      

 2005年2回目の採集も鍬匠 甲冑屋さんと、東京都内の高所に行ってきました。
 ただし、今回は新規ポイント。各種情報を洗い直されて、東京産ヒメオオ・ゲットの希望を見出されたというポイントです。
 私はヒメオオと同所に生息するであろうルリクワガタ属の採集に専念させていただくことにしました。

 今年は雪が多いので、雪を掻き分けての登山が必須になることを覚悟しての出発です。

 自宅発は4:45。
 なんと激しい濃霧!
 自宅そばの外環自動車道、東北道が霧で通行止となっています。
 昨年の2/21、神奈川高所で濃霧のため採集を断念した経験が思い起こされます(採集記)。

 幸い都内に向かうに連れて霧は晴れ、甲冑屋さんのご自宅で車を入れ替える頃には、完全に晴れ渡っていました。

 現地も、到着時は快晴!
 気温もかなり高いようです。


 目的地に車を停めると、今回はウォーミング・アップなしの急勾配登山となりました。
 それも、現在苦しめられている花粉症の元凶の杉林の中。
 昔はブナ林が広がっていたんだろうなぁ、などと話ながら、時々休憩を取り長い長い急坂を登りました。
 登山道の雪は皆無。
 予想が外れました。


 やがて、杉の植林地帯が終わり、広葉樹林となりました。
 ブナの数は少ないものの、杉林とは打って変わって明るい広葉樹林、爽快です。
 南斜面では雪も見られず、これならコルリも狙えると密かに計画を修正しました。




 少し高度を上げた地点で、甲冑屋さんは適当な立ち枯れを発見!
 「狩り」の開始です。
 私はルリ属を求めて、もう少し標高の高い地点を目指してみることにしました。
 やはりここは高所。
 場所によっては20〜30cmの雪が積もっていました。


 ルリ材、ホソツヤ材、コルリ材と、探してみますが、適当な材がない!
 ルリが入るような立ち枯れや空中浮遊倒木も、表面が完全に硬く乾燥していて、どうもいつもの感じの材がありません。
 ホソツヤが入るようなやや細い空中浮遊材もカチカチ状態。あの表面の少し柔らかい状態の材が皆無です。
 やはり南斜面は難しいのか?
 ならばコルリ材をと、雪の少ない場所で落ち葉をどけて埋没材を出して見るものの、コルリの姿や(・)マークはやはり見つかりません。
 やや堅い黒枯れ材もほとんど見つからない状況です。
 ようやく見つけた黒枯れ材からは、こんな幼虫が出てきました。オニクワガタのようです。



 その後も、何本、何十本と材を見たものの(・)マークは1材で確認出来たのみでした…。
 
 少し日当りの悪い場所を意識して、少しくぼんだ西斜面
でようやく(・)マークの付いた大きな倒木を発見!
 重なるように他の大型クワガタの「○に・」マークも付いていましたが、この材はハズレ材でした…。



 結局、この斜面で確認出来たルリクワガタ属の産卵マークの付いた材はこの1本のみ…。
 今日はルリは問題なく採れる、もしかしたらホソツヤルリも、と楽観していたのですが、ポイントによっては簡単には行かないことを勉強することが出来ました。

 甲冑屋さんはと言うと…。
 今日、最初に斧を入れた材から、幼虫を多数ゲットされていました!
 詳細は以下を。
 http://www.hpmix.com/home/katuuya/

 根部からはミヤマ幼虫、立ち枯れやや上部の白枯れ部からはアカアシ成虫が採れていますが、地面に近い位置の堅い部分から採れた幼虫はヒメオオの可能性が高いとのこと。
 これまで、同行させていただいた3回の採集ではいずれもヒメ・ボウズだったので、何とか東京産ヒメオオとして羽化してもらいたいものです。


 ここは鹿の生息数が多いらしく、あちらこちらでこんなモノを見ることが出来ました。


 昼前からは突然冷たい北風が吹き始めましたが、3月の柔らかい日差しは春そのもの。
 あと少しでコルリの新芽採集が可能になることを実感することが出来ました。
 まさかルリの産卵痕を1材で観察したのみに終わるとは思ってもいませんでしたが、この時期にしか味わえない明るいブナの森に足を運べて良かったです。

 (本日の成果)
  ビーフォー:東京産オニクワガタ幼虫
  甲冑屋さん:東京産ヒメオオ(?)幼虫、アカアシ成虫、ミヤマ幼虫、他


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