採集記
 (2004年9月4日)

 
 目 的  :ペアで付くヒメオオクワガタの確認→採集
 結 果  :目的のペア・ヒメオオを含めヒメオオ7♂+3♀、アカアシ、スジ、ミヤマ
        そして材採にて原名コルリ幼虫2頭をゲット!
      

 前回のヒメオオ採集(8/12)から早くも3週間を経過…。そして、前回目的を果たせなかったペアで付くヒメオオの確認→採集をしたいということで、ここ数日は高所へ行きたいと思ってばかりいました。
 ようやくの休み、でも天気予報は今週末も今ひとつです。昨晩は、様子で出発しようと思って就寝したのですが、4:30に目覚めてしまい、ネットで現在の降雨状況をチェックすると南会津は降っていない!
 ということで5:00過ぎに南会津に向けて出発しました。


 第1ポイント着はなんと7:45!
 自宅から、2時間45分でポイントに着けるなんて、自分でも驚きました…。
 天気は薄曇で、気温は20℃近くありそうです。
 まずは「アカアシのなる柳」をチェック。
 アカアシ・ペアが幾つか付いているのが見えます。
 キックをしてみるとバラバラと音がして多数のアカアシが降ってきました。9月になりましたが、アカアシも活発に活動しているようです。
 とりあえず路上に落ちてきた1♂+2♀を拾い上げて、藪に静かに投げ入れてチェック終了。
 藪にも多数の個体が落ちた様子ですが、探すことはせず、ヒメポイントに急ぎます。
 車を走らせること数分。ヒメオオを採集した実績のあるポイントへ行くと、なんと網を持った人の姿が…。
 やはり9月の南会津のヒメオオ競争率はかなり高いようです。


 第2ポイント着。
 車をゆっくり走らせながら、柳やダケカンバに付く「黒い塊」をチェックして行きます。
 やがて「黒い染み」を発見!
 幹の手前に付く場合、「塊」ではなく「染み」となるのです。
 車から降りて確認すると、間違いなくクワ、それもヒメオオのようです。


 ネット・インに成功!
 34mmの小型の♂でしたが、これでボーズは免れると、精神的に余裕が出てきました。


 続いて、2000年以来、毎年必ずヒメオオをゲットしている御神木柳群生ポイントで、
ついに、
ペアで付くヒメオオを発見! 

 今年初めてのペア・ヒメオオなのでした。それにしても柳のかなり低い位置に付いています。 


 近くの柳でさらに1頭の♀を追加することが出来ました。これで早くも2ペアをゲットです!


 この後、別のポイントの柳でもヒメオオ2♂を追加することが出来ました。
 有名林道ではないのに、南会津のヒメオオの濃さを痛感しました。 


 続いては、南会津のヒメ採集で最も大事な自称「壮絶ポイント」に足を運びました。
 このポイントがあるから、毎年南会津に足を運んでいるといっても過言でないポイントです。
 入口にある「アカアシのなる柳」にはアカアシが複数付いているのが分かりましたが、ヒメのような厚みがないので、とりあえずそのままにしておき、少し奥にあるヒメの付く柳のチェックを先にすることになりました。
 このポイントは柳が十数本程度生えている程度なのですが、2000年に発見以来、毎年複数のヒメオオを採集
することが出来ています。
 不思議なことに入口にある柳の高木にはアカアシしか付かず、少し奥にある柳の低木にばかりヒメオオが付くのです。
 かなりきつい藪漕ぎが必要なので、長袖+長靴で奥に進みます。


自称「壮絶ポイント」

 毎年ヒメの付く柳をチェックしても「黒い塊」はゼロ。
 いよいよ発生も終わりかと、半ば諦め気分で一番奥にある柳を揺すると…。
 バサッ、バサッという音。
 大慌てで音のした辺りの下草を掻き分けてみると、ヒメオオ2♂が出てきました。
 1頭は51mmある大型個体です。いずれも非常に綺麗なので、新成虫かと思われます。


「壮絶ポイント」で採集したヒメ♂

 結局ヒメオオの追加は出来ず、入口にある「アカアシのなる柳」に戻りました。この木は背が高く、木を揺するしか採集する方法がありません。


 キック一撃を加えると、バラバラっと多数のアカアシが降ってきました。
 この木の下は下草が少ないので回収は比較的容易なので、拾える限りのアカアシをネットに入れてみました。
 なんと、
ヒメオオの♀が混ざっています!
 もしかしたら♂もと上を見上げると、網の届かないような高い所に黒い塊。
 塊を見ながら木を揺すると、目の前に黒い塊は落ちてきました。
 すかさず、手を差し出すと…。
 キャッチ成功!!!
 生まれて初めてヒメオオ落下個体の素手キャッチに成功しました。
 48mmのヒメ♂です!
 結局「アカアシのなる柳」からは、6♂+2♀のアカアシと1ペアのヒメオオを採集することが出来ました。


「アカアシのなる柳」で採集したアカアシとヒメオオ


 時計を見るとまだ10時過ぎ。
 このまま群馬産ヒメオオも勢いでゲットしてしまおうかと、新潟方面へと車を走らせました。
 途中、柳でアカアシ、スジ、路上歩行のボロボロのミヤマ♀等を追加しましたが、冷静に考えると今日のヒメオオは満腹状態。

 ふと、
コルリの材採集が頭を過ぎりました。
 これまで、コルリの新芽採集をしたことのあるポイントで、材採集はしたことがなかったのです。
 この時期どのような状態の個体が採れるのかも気になったので、コルリの材採集が出来そうなポイントを探してみることにしました。
 しかし、新潟のポイントは急斜面で藪の深い場所ばかり…。
 この時期の急斜面の藪漕ぎはどうしてもためらってしまうところがあります。
 その内…。
 コルリの材採集で好きな、北斜面の枯れ沢を発見!

 車を停めて少し登ってみると…。
 
(・)を発見!!!
 材の状態からして、この春に産卵された材のようです。
 親♀が探りを入れるかのように付けたと思われる薄いマークも多数あり、不思議な感じです。

 材を削ってゆくと、まずはコルリの2令幼虫が姿を見せました。

 材を削り進めると、次は3令幼虫!

 ♀のようですが、原名コルリの幼虫の印象は、「とにかく大きい」です!

 結局、採集幼虫はこの2頭のみ。周辺でも(・)マークを確認出来たものの採集個体の追加はありませんでした。
 このポイントは、コルリが好みそうな黒枯れ材が少ない印象でした。
 ルリ属の生態の解明には、夏場の採集が必要不可欠かと思いますが、夏場のコルリの材採集はかなりきついと思いました。
 来年は、比較的採集材を探すのが楽なルリの夏場の採集にチャレンジしてみたいと思いました。
 

 
 ヒメオオが採れなかったら、有名林道にも足を運ぼうかと思いましたが、結局、有名林道に行かなくても2桁のヒメオオを採集することが出来ました。
 また、恐らく自身今年最後のミヤマを採れたこと、そしてコルリ幼虫を採れたことも感慨深げです。

 次はもう一度、いずれかの産地にヒメ狙いの採集に行き、その後はルリ属の採集に専念したいと思いました。

 採集活動をした午前中は良い天気でしたが、帰途(午後)は激しい雷雨に見舞われました。

 (本日の成果)
  ヒメオオ:7♂+3♀
  アカアシ:10♂+7♀
  スジ:2♂+1♀
  ミヤマ:1♀
  原名コルリ幼虫:2頭 

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