採集記
 (2004年5月1日)

 
 ターゲット:山梨産高山種(ルリ属を中心に)
 結果 :山梨産 ホソツヤルリクワガタ成虫1♂+2♀
           ミヤマツヤハダクワガタ成虫2♀
           ルリ属+マダラ+ミヤマツヤハダ幼虫:多数

      

 結局、4月は1回しかフィールドに出られなかったのですが、5月に入ってようやくそのチャンスが訪れたことから、山梨の高所へと足を運びました。
 今日は、ゴールデンウィークに入って最初の土曜日。関東から地方へ向かう高速道路は大渋滞の予想が出ていたことから、4:30前には自宅を出ましたが、それでも渋滞にはまり、現地着は予定より1時間オーバーの7:30過ぎとなってしまいました。


 昨年は、4/29、5/10、5/24と3回山梨の高所へ新芽採集目的で赴いて、いずれも惨敗。昨年の経験では、目的地のブナの新芽の芽吹きはまだまだの予想でしたが…。




 なんと1000mをはるかに越えるポイントでも、ブナの新緑が始まっており、適度にほころんだブナの新芽も多数見られました。今年は、芽吹きが早いようです。
 当初は、材割りに専念するつもりでしたが、新芽採集も並行して試みることにしました。


 まずは、第1ポイント。
 (・)が、各所に見られます!!
 この材は、空中に浮遊したやや太い材で、原名ルリの材と思われますが、採集出来たのは3令幼虫のみで、成虫は脱出してしまったようでした。食痕と蛹室らしい痕跡は多数あったことから、もう一月早くこのポイントに来ていれば原名ルリ成虫を採集できていたことでしょう。



 周囲を探索していると適度に腐朽した赤枯れ材を発見!!
 思わず割ってみると、マダラクワガタと思われる幼虫が多数出てきました。でも、なぜか成虫が見当たりません。マダラに時間をかけて肝心のルリ属がおろそかになってはいけないと早めに切り上げました。


 1時間ほど歩き回って、ルリ属の幼虫を数頭追加した後、空中に浮遊した乾燥気味のやや細めの材を割ってみると、♂成虫が!!
 青緑色ですが、原名ルリやトウカイコルリとは明らかに異なるツヤ、取って付けたような大顎の形状、胸の形状からして念願の
ホソツヤルリクワガタのようです!!

 結局、この材からは幼虫を数頭採集出来たものの、成虫の追加はなく、このポイントは後にすることにしました。


 やや標高を下げた第2ポイントは、ブナの芽吹きがより一層進んでいます。
 芽の探索と材の探索を同時進行しながら、急斜面を登りました。
 結局、埋没黒枯れ材よりトウカイコルリと思われる幼虫を採集したのみ。
 それにしても、暑い!!
 高所でも材採集のシーズンが終わりに近いことを実感しました。


道路から、この急勾配を登ってきました。


 第3ポイントは、ササの生い茂っている場所です。
 車から、倒木が見えたので入ってみたのですが…。


 まずは赤枯れ材を割ってみると、ミヤマツヤハダ幼虫が!!


 幼虫がザクザク出てきて、もしかしたら成虫もと思っていた時、ついに♀成虫が姿を見せました。
 ミヤマツヤハダクワガタです!!
 結局、この材からは成虫2♀をゲット出来ました。ただ、♂が採れず、今回も累代飼育チャレンジは出来ません。

 しばらく、ササの藪漕ぎを続けると、(・)マークの付いたダケカンバの細い空中浮遊倒木を発見!!!


 
 こんなに乾いていては、クワガタは入っていないかなと思いながらも、ボソボソの材を慎重に削り進めると、なんと♀成虫が姿を見せました。

 全身、メタリック・グリーンのピカピカの♀。腹部裏側はコルリのように赤みがある…。
 間違いなく
ホソツヤルリクワガタです!!!
 想像をはるかに超えるツヤと色調には本当に驚きました。
 これが1980年代に新種として記載されたルリの仲間とは…。
 結局、この材からもう1頭♀を追加することが出来ました。

 ホソツヤルリの♀成虫をゲットして大満足状態になってしまい、帰りの渋滞を避けたいことからも、現地を13:00前には出発しました。
 ボーズだったら、トウカイコルリ狙いの新芽採集を続けていたと思いますが…。


 持ち帰ったホソツヤルリクワガタの成虫です。
 左から♀、♂、♀。
 目で見る美しさを伝えられないのがもどかしいです。
 これまで見てきた原名ルリ、原名コルリ、トウカイコルリとは、ツヤと色調が全く異なります。

 日本に暮らしていて本当に良かったと思いました。
 ルリ属3種が混棲するポイント、面白いです!!


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