採集記
 (2004年3月17日)

 
 ターゲット:山梨産ルリ属クワガタ
 結果 :原名ルリ♂成虫1頭、トウカイコルリ♂成虫1頭+ルリ属幼虫多数

      

 時間的にかなり厳しい制約があったんですが、ルリ属クワガタを求めて、山梨の某峠にまたしても採集に行って来ました。前回2/28に行った時は、トウカイコルリ♀成虫をゲットしたものの、材が地面に凍り付いていて、ひっくり返したい材を思うように動かすことすら出来なかった例の峠です(採集記)。
 次は新芽が開く頃に訪れる予定でしたが、一ヶ月以上早まってしまいました…。
 自宅発は8:00、現地着は10:30過ぎでした。


 今日の関東地方(平地)の予想最高気温は25℃前後。午後から風が出てきたものの、午前中は最高のコンディションです(1200m地点の昼頃の気温は15℃!!)。




 ポイントはもう決まっていたので、車を停めてから一直線で尾根に向かいます。前回動かせなかったような材をひっくり返してみると…。予想通り、8割位の材は動かすことが出来ました。
 高山でも着実に春が近付いていることを実感。ただ、地面の深いところは未だに凍結状態でした。
 2〜3本目にひっくり返した黒枯れ材から、予想通りルリ属の産卵痕が!!
 このマークに出会えると、本当に喜びを感じます。
 


 幼虫も簡単にゲットすることが出来ました。
 材の状態からトウカイコルリクワガタにほぼ間違いないものと思います。



 何本かの埋没材からトウカイコルリと思われる幼虫を数頭を採集した後、ルリクワガタ(原名亜種)でもいないものかと、産卵痕のない小さな立ち枯れを「駄目元」で削ってみると、なんと鉈の数撃で成虫が姿を見せました。


 手にとって観察すると、ルリクワガタ(原名亜種)の♂成虫です!!
 この峠は若木が多く原名ルリはもしかしたら棲息していないのでは?と思っていたんですが、やはり棲息していることを確認することが出来ました。


 その後も、前回動かせなかった埋没材を中心に確認して行った結果、ついに埋没材からも青緑色に輝く昆虫が!!


 こちらの個体は、前胸背板の後縁に突起がある…、前回、このポイントでは、♀しか採集できなかったトウカイコルリクワガタの♂成虫でした。



 その後は、多数の幼虫を採集したものの、結局成虫の追加はなく、現地を14:00に出発しました。
 それにしてもこの峠の更に限られたポイントでは、非常に細い枯れ枝にもルリ産卵痕があり、今回も複数の幼虫を採集することが出来ました。
 最も細いものは直径20mm程の小さな枯れ枝です。成虫が採れていないので、なんとも言えないのですが、これがホソツヤルリクワガタなのでしょうか?
 次回、通い慣れている山梨のもう一つの峠でも、細い枯れ枝等をチェックしてみたいと思います。
 


左:ルリ属クワガタ幼虫(肛門縦割れ)
右:コガネムシ系幼虫(毛深く、肛門横割れ)


 木々の芽は硬く閉じたままの高山ですが、着実に春が近付いていることを実感した爽快な採集でした。走行距離270km。
 


上:トウカイコルリクワガタ
下:ルリクワガタ(原名亜種)


 (採集幼虫の羽化結果)
  2004年7月
  ・トウカイコルリ11♂+3♀として羽化(羽化率:60.8%)

 残念ながら、乾燥細材から採れた幼虫にホソツヤルリが混ざることはなく、全てトウカイコルリでした。
 また、持ち帰り幼虫には原名ルリも混ざっていませんでした。
 羽化率が低くなったのは、20cc以下のミニ容器での飼育試験に失敗したためです。今後は、順調な結果が出ている60ccのプリンカップでの飼育をベースにしようと思います。


TOP