採集記
 (2003年12月4日)

 
 ターゲット:コルリクワガタ他、高山種
 結果   :コルリクワガタ1♂成虫+16幼虫をゲット!

 ゆっくり休養しようかと思っていたんですが、朝5時前に目が覚めてしまい、急遽、関越道を使って群馬県へ。
 以前から気になっていた、群馬県でのコルリクワガタ材採集にチャレンジです。
 関東地方は、冬型の気圧配置で快晴の天気予報。5:45の出発時は星が綺麗でした。
 高速を走って群馬県が近付くにつれて、北部の山間部方向に厚い雲が…。
 関東北部〜新潟、福島県境はどうやら雪のようです。
 地図と睨めっこして決めた現地(標高1100〜1300m)には8時前に到着。
 まずは峠に車を停めて、尾根伝いに少し山道を登り、採集にチャレンジしました。
 到着時は、こんなに晴れていたんです。


 到着時の気温は、氷点下2℃。なぜかブナは一本もなく、若いミズナラが中心の林でした。確認できた樹種は、イヌブナ、カシワ、アオダモ、ホオ、アカマツ、ヤマザクラなど。
 ダケカンバも見当たりませんでした。
 これでは、ヒメオオやオニは生息してなさそうです。
 北側斜面を見ても全体的に乾いた雰囲気で、コルリは難しいかなと思いながら、土に埋もれた材をひっくり返してゆくと…。



 見覚えのある産卵痕(・)がありました!!
 朽木の径は8cm程度。
 土に埋もれたような、湿度の高い灰色に腐朽した材にマークがあります。
 山梨での経験では、この感じの材から採れるのはルリクワガタではなくコルリクワガタと思われます。


 材の表面を削るように慎重に割り進めると…。
 幼虫が姿を見せました。


 コルリと断定は出来ませんが、ルリ系幼虫には間違いなさそうです。
 
 結局、第1ポイントの尾根では、幼虫のみ8頭採集しました。
 産卵痕はあっても、幼虫や成虫が入っていないことが多くあるのがルリ系クワガタ採集の苦しみでしょうか?

 続いて、少し標高を下げて、北側斜面に雰囲気の良い谷があったので採集を試みました。


 谷に転がっている朽木を見て回ります。(この斜面の傾斜は画像で見る以上にきついです)
 やはり産卵痕はありました。



 結局、第2ポイントの谷では、♂の成虫(!!)1頭と、幼虫8頭を採集することが出来ました。
 採集した成虫の胸の後縁部をじっくり見ると突起が…。
 
コルリクワガタです。
 標準的な原名亜種より緑色が強い感じです。
 ここは、コルリクワガタ(原名亜種)とトウカイコルリクワガタの亜種境界近く。亜種の特定は簡単には出来なさそうです。
 周辺を見渡したら、産卵痕のある材はまだまだあったんですが、天候が急変し、激しいアラレが降り始めました。


 寒さも限界に達し、やむなく、午前中で退散することにしました。

 結局、2箇所で、コルリ成虫1♂と幼虫16頭を採集することができました。
 その他の種類のクワガタは、全く確認できませんでした。


自宅にて
左から、♂成虫、第一ポイント採集幼虫、第二ポイント採集幼虫
(いずれもルアーケースからプリンカップに移して撮影)


 今回採集したオス成虫は、色調的にはトウカイコルリクワガタに近い感じですが、山梨産トウカイコルリと各産地の原名亜種の標本と体形を比較しても微妙…。個体数を増やして確認するしかないのか、それとも永遠に結論は出ないのか…。
 いずれにしても、2003年5月17日に同じ群馬県で
コルリクワガタ(原名亜種)を新芽採集したポイントとは、直線距離で39kmしか離れていないところで、トウカイコルリに近い個体を採集することが出来ました。
                

群馬県産コルリクワガタ
左:原名亜種      
右:今回採集した個体


 (採集幼虫の羽化結果)
  2004年6〜7月
  ・コルリ11♂+5♀として羽化(羽化率:100%)

 ♂の色調は、原名亜種に近い青色個体が多いながら、トウカイコルリに近い緑色個体も数頭混ざりました。やはり、コルリの原名亜種に分類されるのかもしれませんが、トウカイコルリとの亜種境界が近いことを証明しているようです。


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