ルリクワガタ属成虫生体の比較

 ルリクワガタ属は標本にすると、どうしても色調の変化が生じてしまいます。
 一方で、動き回ろうとする生体の拡大画像を撮影するのは難しい…。
 また撮影時の光線の具合で、その色調の表現が難しい…。
 ここでは、試行錯誤して撮影したルリクワガタ属成虫の画像を紹介します。

1.♂成虫

◎全体像

ルリクワガタ(原名亜種)
東京都産
ウンゼンルリクワガタ
長崎県産
ホソツヤルリクワガタ
山梨県産
ニセコルリクワガタ
徳島県産

 左からルリクワガタ、ウンゼンルリクワガタ、ホソツヤルリクワガタ、ニセコルリクワガタです。
 色調は、ルリとニセコルリが緑、ウンゼンルリとホソツヤルリが、ちょっと青味が強いという感じです。

コルリクワガタ
群馬県産
トウカイコルリクワガタ
山梨県産
キンキコルリクワガタ
大阪府産
シコクコルリクワガタ
徳島県産

 左からコルリクワガタ、トウカイコルリクワガタ、キンキコルリクワガタ、シコクコルリクワガタです。
 コルリ<トウカイコルリ<キンキコルリ<シコクコルリの順に上翅の皺が強い感じになっています。
 色調は、産地によって差が大きすぎて、4亜種を色調で分類することは出来ません。

◎裏側
 ♂に関しては裏側の色調に大きな違いはないようです。

原名ルリクワガタ ホソツヤルリクワガタ シコクコルリクワガタ


2.♀成虫

◎全体像

ルリクワガタ(原名亜種)黒色型♀
福島県産
ルリクワガタ(原名亜種)銅色型♀
福島県産
ウンゼンルリクワガタ♀
長崎県産
ホソツヤルリクワガタ♀
山梨県産
ニセコルリクワガタ♀
徳島県産

 左の2個体は福島県の同所で採れたルリクワガタの♀。
 黒色系と銅色系です。
 ルリクワガタの♀は、この黒色系と銅色系にはっきり分かれます。
 この割合は産地によって明らかな違いがありそうです。
 一方で、九州のルリクワガタ♀では、黒色系は少ないようです。
 亜種とされているウンゼンルリクワガタでは、黒色系の♀個体の存在を聞いたことがありません。



コルリクワガタ♀
群馬県産
トウカイコルリクワガタ♀
山梨県産
キンキコルリクワガタ♀
大阪府産
シコクコルリクワガタ♀
徳島県産

 コルリクワガタの♀の生体画像です。
 左から群馬県(コルリ)、山梨県(トウカイ)、大阪府(キンキ)、徳島県(シコク)です。
 同所で採集したものでも色調に差はありますが、産地によって傾向があるのも確かなようです。


◎裏側
 ルリクワガタ属の裏側(腹側?)の色の違いは、顕著です。
 ルリクワガタでは、関東周辺では、ほぼ黒色が大勢を占めますが、九州では赤味の入ったルリも高確率で混ざるようです。
 亜種とされるウンゼンルリでは、腹に赤味の入った個体が多いという一方、真っ黒の個体もいるようです…。

原名ルリクワガタ♀ ウンゼンルリクワガタ♀ ホソツヤルリクワガタ♀ ニセコルリクワガタ♀

 コルリクワガタのグループの場合、コルリ→トウカイ→キンキ→シコクの順で、赤味が増す傾向があるようですが、例外は多数あります。

コルリクワガタ♀
(群馬県)
トウカイコルリクワガタ♀
(山梨県)
キンキコルリクワガタ♀
(大阪府)
シコクコルリクワガタ♀
(徳島県)

 左:群馬県法師温泉産コルリクワガタ、右:静岡県天城山万二郎岳産トウカイコルリクワガタ。



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